お中元やお歳暮、そろそろやめたい? 年に2回の贈り物、上手に断る方法とは…
夏の訪れを感じるころ、頭を悩ませるのが「お中元」。
そして、年末が近づくと「お歳暮」も。
お世話になっている方への感謝の気持ちを表す大切な習慣。
ですが、近年では経済的な負担や贈答品の選び方、相手との関係性など、様々な理由で「やめたい」と思う人も増えているようです。
「毎年欠かさずに贈っているけど、正直負担になっている」
「何を贈れば良いかわからない」
「相手との関係性が変わってきた」など、お中元やお歳暮をめぐる悩みは尽きませんよね。
そこで今回は、お中元やお歳暮をやめるタイミングについて、贈答習慣を断るときのマナーと失礼のない方法と合わせて詳しくご紹介します。
そもそもお中元やお歳暮は必要?
長年続く習慣とはいえ、「そもそもお中元やお歳暮って、必要なの?」と疑問に思ったりしませんか。
本来、お中元やお歳暮は、日頃お世話になっている方への感謝の気持ちとして贈るものです。
結論からいうと、お中元やお歳暮は必ずしも必要ではありません。
ギフトという形の品物を贈ることでコミュニケーションの機会になり、お互いが楽しみにしているのであれば問題ありません。
ですが、家族構成やライフスタイルの変化によって、必ずしもお中元やお歳暮を贈る必要性を感じない人も増えています。
また、お中元やお歳暮にこだわらなくても、感謝の気持ちを伝える方法はたくさんあります。
継続的に贈るのが難しいなら、お中元やお歳暮ではなく「お礼」やサマーギフトとして贈るのがおすすめ。
お中元とお歳暮まめ知識
●お中元とお歳暮を贈る相手●
感謝やお礼を伝えたい目上の人・・・両親(実家・義実家)、仲人、取引先など
●お中元を贈った相手にはお歳暮も贈るのがマナー●
お中元もお歳暮も一度贈ったら、同価格帯の品物を毎年継続して贈るのが一般的
●必ずしもお中元とお歳暮の両方を贈る必要はない●
お中元かお歳暮のどちらかしか贈らない場合は、お歳暮を優先
●毎年のように贈る相手をどんどん増やしてしまうと、金銭的な負担が増える●
この人とのつながりをずっと大事にしたいという人に限定して贈る
お中元やお歳暮をやめるタイミングはいつがベスト?
長年続けたお中元やお歳暮、そろそろやめたいな…と感じる方も多いのではないでしょうか?
いざやめようと思っても、いつがベストなのか、失礼にならない方法がわからない…と悩んでしまいますよね。
お中元やお歳暮をやめるタイミングは、一般的には「3年間やり取りをした後」とされています。
ですが、お中元やお歳暮をやめるタイミングに、明確な決まりはありません。
お中元やお歳暮をやめるタイミングは、関係性や状況によって様々です。
以下のような状況をきっかけに、贈答習慣を見直す方が多いようです。
見直すべき贈答習慣のサイン
- 経済的負担が大きい
- 相手の負担になっている可能性がある
- 形式的なやり取りになってしまっている
- 贈り物を選ぶのが難しい
- 相手との関係性が希薄になっている
やめるタイミングは?
- ライフスタイルの変化: 引っ越しや転職、結婚、出産など、ライフスタイルが大きく変化したタイミング
- 経済的な事情: 収入が減ったり、支出が増えたりして、贈答品を購入するのが難しくなった場合
- 相手との関係性: 疎遠になってしまったり、相手から贈り物をもらわなくなった場合
- 贈答習慣の見直し: 近年では、お中元やお歳暮の簡素化や廃止を推奨している自治体や企業も増えている
地域や家庭で正しいマナーは異なりますが、3年間だけお中元・お歳暮のやり取りをするという地域もあります。
お中元・お歳暮のやり取りが始まって3年間は、感謝の気持ちや挨拶として贈り合うのもよいでしょう。
お中元やお歳暮を贈るのをやめたいときはどうしたらいい?
「お中元やお歳暮を贈るのをやめたい」と感じているなら、無理に続ける必要はありません。
お中元やお歳暮を贈るのをやめたいと思ったとき、どうすればいいのでしょうか?
大切なのは、相手に失礼のないよう、マナーを守って断わることです。
1.状況に合わせた断り方
断り方を選ぶ際は、相手との関係性やこれまでの贈答習慣などを考慮しましょう。
●親しい間柄●
電話やメールで直接気持ちを伝えるのがおすすめです。
日頃の感謝の気持ちを伝えつつ、「今年はお気持ちだけ頂戴できれば」と丁寧にお願いしましょう。
●目上の方や上司●
手紙や暑中見舞い/寒中見舞いの挨拶状に添えて、お礼の言葉を添えつつ、「今後はお気持ちだけ頂戴できれば」と控えめに断るのが一般的です。
●会社関係●
社内規定がある場合は、事前に確認しておきましょう。
規定がない場合は、上司や同僚と相談し、全体で統一した方法で断るのがスマートです。
2. 断る際のポイント
●早め早めに伝える●
相手が準備を始める前に、早めに断りの意思を伝えましょう。
お中元であれば6月、お歳暮であれば11月頃が目安です。
●感謝の気持ちを伝える●
これまでのお中元やお歳暮に感謝の気持ちを伝え、相手との関係性を大切にしていることを示しましょう。
●具体的な理由を述べる●
経済的な理由など、具体的な断り方を伝えることで、相手も理解しやすくなります。
●代替案を提示する●
どうしても贈答品を贈りたい場合は、「お気持ちだけ頂戴し、代わりに〇〇を贈らせてください」と代替案を提示するのも良いでしょう。
●丁寧な言葉遣いを心がける●
どんな場合でも、丁寧な言葉遣いを心がけ、相手を尊重した態度で接しましょう。
3. 上手なフェードアウト
いきなり贈り物を辞めるのではなく、徐々にフェードアウトしていく方法もあります。
●金額を下げる●
最初は高額な品物を贈っていた場合は、徐々に金額を下げていく方法
●頻度を減らす●
毎年贈っていた場合は、隔年で贈るなど、頻度を減らす方法
●品物を変える●
食品からカタログギフトなど、相手に負担にならない品物に変更する方法
※最後は年末の挨拶状だけを送るという具合に、少しずつ負担を軽減していくのがおすすめです。
4. 大切なのは気持ち
お中元やお歳暮は、本来「感謝の気持ちを表す」ためのものです。
形式的なことにこだわりすぎず、相手とのコミュニケーションを大切にしながら、気持ちの良い関係を築いていきましょう。
お中元やお歳暮をやめる場合の例文
大切なのは、相手への感謝の気持ちを忘れずに、失礼のない方法で伝えることです。
直接会って話すことが難しい場合は、手紙や電話で丁寧に伝えるようにしましょう。
お中元やお歳暮をやめる場合の例文①
- 「いつも温かいお心遣いをいただき、ありがとうございます。今後はお中元やお歳暮は遠慮させていただきますが、これからも変わらぬお付き合いをよろしくお願いいたします。」
- 「引っ越しを機に、生活スタイルが大きく変わりました。つきましては、大変恐縮ですが、今年からはお中元やお歳暮を控えさせていただきます。ご理解いただけますと幸いです。」
お中元やお歳暮をやめる場合の例文②
『 親しい友人・家族の場合』
〇〇さん、いつも温かいお心遣いありがとうございます。
お中元やお歳暮は、本当にありがたいのですが、今年は遠慮させてください。
というのも、最近引越しをしてバタバタしており、お返しもままならない状況なんです。
気持ちは本当に変わりませんので、これからもよろしくお願いします!
『 会社関係の場合』
拝啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
先般は、結構なお品をいただき、誠にありがとうございました。
さて、弊社では社内規定により、取引先様からのご贈答は辞退させていただいております。
せっかくのお心遣いをお断りすることになり、大変心苦しい限りではございますが、何卒ご理解いただけますようお願い申し上げます。
『その他』
日頃より格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。
このたびは、お中元/お歳暮をいただき、誠にありがとうございました。
気持ちは大変ありがたく頂戴しておりますが、諸事情により、今回はご辞退させていただきます。
今後とも変わらぬご厚誼を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
いずれの場合も、丁寧な言葉遣いを心がけ、感謝の気持ちを伝えることが大切です。
●一言添えて、より丁寧な印象に●
例文に加えて、一言添えることで、より丁寧な印象を与えることができます。
- 「お気持ちだけ十分に伝わりましたので、恐縮です。」
- 「今後とも、変わらぬお付き合いをよろしくお願いいたします。」
- 「もしよろしければ、また別の機会にご一緒させてください。」
など、状況に合わせて添えてみてください。
お中元やお歳暮をやめる代わりにできること
お中元やお歳暮の代わりにできることはたくさんあります。
「そもそも、もっと喜んでもらえる方法があるんじゃない?」
「お中元やお歳暮の代わりに、何かできることはないかな?」
そんな疑問に、お中元やお歳暮の代わりに、もっと喜ばれるアイデアを5選紹介していきますね。
お中元やお歳暮の代替え案5選
- 体験型ギフト: グルメや旅行、アクティビティなど、五感で楽しめる体験をプレゼントする。
- カタログギフト: 相手の好きなものを選べるカタログギフトは、幅広い世代に喜ばれます。
- 手作りの品: 心を込めた手作りの品は、世界に一つだけの特別な贈り物になります。
- 寄付: 相手の好きな団体への寄付は、社会貢献にもつながる素敵なギフトです。
- 手紙やメッセージ: 日頃の感謝の気持ちを込めた手紙やメッセージは、お金では買えない価値があります。
お中元やお歳暮の代わりに何を贈るかは、相手の好みやライフスタイルに合わせて選ぶことが大切です。
●相手の喜ぶ顔を想像して●
- 家族や親しい友人: 相手の趣味や好きなものをリサーチして、喜んでもらえるギフトを選びましょう。
- 会社関係: 目上の方には、失礼のないフォーマルなギフトがおすすめです。
- その他: 相手の年齢や性別、家族構成なども考慮して、最適なギフトを選びましょう。
『大切なのは気持ち』
お中元やお歳暮の代わりに何を贈るにしても、大切なのは「感謝の気持ち」を伝えることです。
形式にとらわれず、相手のことを想った気持ちのこもったギフトを選びましょう。
お中元やお歳暮をやめた後の付き合い方
お中元やお歳暮をやめた後も、相手との良好な関係を築き続けるためには、どうすればよいのでしょうか?
1. 感謝の気持ちを伝え続ける
お中元やお歳暮を贈らなくても、日頃の感謝の気持ちを伝えることは大切です。
- 手紙やメールで近況を報告する
- 電話で会話をする
- 直接会って話す
- SNSでメッセージを送る
など、さまざまな方法でコミュニケーションを図りましょう。
2. 季節の挨拶を欠かさない
お中元やお歳暮の時期だけでなく、暑中見舞い、年賀状、寒中見舞いなどの季節の挨拶を欠かさずに送るようにしましょう。
ちょっとした心遣いが、相手との距離を縮めることができます。
3. 相手への思いやりを忘れずに
お中元やお歳暮をやめる場合でも、相手への思いやりを忘れずに、丁寧な伝え方が大切です。
- 直接会って話すのが難しい場合は、電話やメールで伝える
- 感謝の気持ちを伝える
- お詫びの言葉を述べる
- 今後の付き合いについて、希望を伝える
4. 新しいコミュニケーションの形を見つける
お中元やお歳暮以外にも、感謝の気持ちを伝える方法はたくさんあります。
- 一緒に食事に行く
- 旅行に行く
- プレゼントを贈る
- お手伝いを申し出る
など、相手との関係性や状況に合わせて、新しいコミュニケーションの形を見つけてみましょう。
今回のまとめ
「お中元やお歳暮をやめるタイミングは?贈答習慣を断る時のマナーと失礼のない方法」いかがでしたか?
まとめると、
お中元やお歳暮をやめるタイミングは、
- 経済的な負担が大きくなってきた場合
- 相手との付き合い方が変わった場合
- 贈り物を受け取るのが相手に負担になっている場合
- 贈り物を選ぶのが負担になっている
- 相手からのお中元やお歳暮が減っている
上記のような場合は、お中元やお歳暮をやめることを検討してもよいでしょう。
断るときのマナーと失礼のない方法は、
- 感謝の気持ちを伝えた上で、お中元やお歳暮を辞退したい旨を丁寧に伝える
- 理由を説明する場合は、具体的なエピソードなどを交えると相手も理解しやすい
- 段階的に減らすなど、相手との関係性を考慮した方法を選ぶ
- お礼状や電話、メールなど、状況に合わせて適切な方法で伝える
以上になります。
お中元やお歳暮は、あくまでも感謝の気持ちを伝えるための手段の一つ。
大切なのは、日頃の感謝の気持ちを忘れずに、相手との良好な関係を築いていくことです。
この記事が少しでもお役に立てれば嬉しいです。